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石川県には3つの漆器産地があり、それぞれ「木地の山中」「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」と称されています。南の加賀市山中温泉地区で作られるのが「山中漆器」で、ろくろで挽く挽物木地は質、量ともに国内トップを誇ります。また、北の輪島市で作られるのが「輪島塗」で、優美さと堅牢さを備える塗物として知られています。山中漆器の起こりは安土桃山時代、輪島塗の起こりは室町時代と言われ、いずれも江戸時代に大きく発展を遂げました。「手依」は、この2つの産地で作られています。

  • 挽物木地師の中嶋武仁さんが、最初にろくろで木地を挽きます。中嶋さんは伝統工芸士の資格を持った職人。山中漆器は木の繊維に沿って木地をこしらえる「縦木取り」をします。そのため薄く挽いても変形が少なく、丈夫なのが特徴。ろくろで粗挽きをして乾燥させた木地を基に、中嶋さんがろくろで中粗挽きをして、まずは椀の形に近づけていきます。椀の外側と内側の両方にカンナを当てて、勢いよく挽いていきます。

    木地師・中嶋武仁
  • 手依とは別の挽物木地師が「手依匣」の木地を挽きます。複雑な形をした「手依匣」は、正確に成形するのが非常に困難。厚紙に図面を貼って型紙を作り、木地を少しずつ挽いては型紙を当てる作業を繰り返します。こうして図面どおりの形ができあがります。

  • 「手依匣」の底部のネジを切るのが「亀甲職人」と呼ばれる、加飾の挽物木地師。昔、木地に亀甲模様を刻む仕事が多かったことから、こう呼ばれるようになったのだとか。3カ所に設けたネジで留まるよう、小刀を使って細かく切っていきます。

  • 木地に漆を染み込ませる「木地固め」をした後、塗りの工程に進みます。拭漆は片手でろくろを回しながら、太めの刷毛で、薄く一塗りするのみ。ほんのわずかに塗膜を残す程度に塗るのがコツとか。厚めに塗ると、乾いた途端に表面が縮れてしまうからです。

  • 塗師の惣田登志樹さんが、輪島塗を施します。惣田さんは伝統工芸士である一方、県立輪島漆芸技術研修所の講師や輪島塗技術保存会の理事も務める人物。輪島塗の工程は下地、下地研ぎ、中塗り、上塗りに大きく分かれ、その数は20工程以上にも及びます。

    塗師・惣田登志樹
  • 呂色とは、上塗りをした後に、刷毛目を平滑にする工程。指先の感覚だけを頼りに、水に浸した炭でまんべんなく研いでいきます。炭は静岡県に自生するキリから作る「駿河炭」が、最も適しているとのこと。仕上げに生漆を浸した脱脂綿で拭き取ると、鏡のように艶やかな面に仕上がります。